コロナ禍のシェアハウスの居住環境整備について、できることをハード面とソフト面の対応をまとめてみました。 コロナに限らず、季節性インフルエンザ、風邪などの感染症に対しても有効となるよう医療福祉施設の施設整備を参考にしています。
入り口には、非接触型の体温計を設置。「入館者は体温測定をお願いします。発熱がある方は入館をご遠慮ください」の掲示をしています。
外部からコロナウイルス感染者が入館することを未然に防ぐことで居住者の安全と安心を守ります。
新型コロナの感染がわかった時の流れ
体調不良等、新型コロナウィルスにかかった可能性がある場合は、以下の行動をお願いします。
- 下記に連絡し、検査等について指示を受けてください。
- 墨田区発熱・コロナ相談センター 03-5608-1443(平日:9:00~17:00)
- 東京都発熱相談センター(医療機関案内背飲用ダイアル)03-6630-3710(24時間対応)、03-6626-3473(9:00~18:00)
- 新型コロナウィルス「陽性」の判定が出た場合は、直ちに管理者に連絡してください。
- 濃厚接触者の範囲を保健所に確認のうえ、濃厚接触者に連絡をお願いします。
- 恐れ入りますが、キッチンのご使用は、ご遠慮願います。食事・飲み物等必要なものは連絡いただければお届けします。
- また、以下1~3について管理者に、ご連絡願います。
- 陽性の診断日
- 今後の方針(自宅療養か否か?)
- 濃厚接触者の検査結果と検査方法
管理者は、コロナ感染者からの連絡を受け、感染者が、入院・ホテル療養に移る前の待機期間には下記のことを行います。
- 感染者専用トイレ・洗面・シャワーの設置
- 抗原検査キットを希望者に配布
- 濃厚接触者があった場合は、濃厚接触者専用トイレ・洗面・シャワーの設置
感染された方専用のトイレ等は、感染された方が、ホテルや医療機関に移動されてから一日経ったところで、消毒の上、開放いたします。
床材にはウイルス対策の床材を使用
床材には、99.9%のウイルスが不活化する天然リノリウムを使用。天然リノリウムの床材はウイルスの活動が抑える効果が、確認されています。人体から排出されたウイルスは空中を舞って床に落ちた後に不活化するため、巻き上げられた後に感染するリスクを低減する効果が期待できます。
非接触の水栓を各階に設置
取っ手に触れずに水栓の操作ができるように、自動水栓を設置しています。
共用部の空気を一時間に5~8回 強制的に換気
新型コロナウイルスの感染経路は、エアロゾル感染(空気感染の一種)と言われています。はしかなど感染力が強い感染は空気感染により感染すると言われています。空気感染とは5μm(マイクロメーター)以下の飛沫核が空気中を漂い感染を起こすとされています。これに比べエアロゾル感染は100μm以下の飛沫が空気中を漂い感染を起こします。飛沫の大きさが大きいため空気感染ほど長時間空気中を漂うことはありませんが、スグに床に落下してしまう飛沫感染よりは感染のリスクは高いようです。※1
参考:※1「新型コロナはエアロゾル感染も」と感染研 「空気感染」との違いを峰宗太郎医師に聞く
飛沫による感染を防ぐには、マスクの着用が効果的です。一方エアロゾルによる感染予防の基本は、空間の換気を確保する事になります。京島ゆずテラスでは、設計に際して空気の流れを計画しています。今回のようなことは想定はしていませんでしたが、空気の入り口を出口は明確になっていることと、鉄筋コンクリート造であることから気密性が高いので、効果的な計画換気が可能となっています。図のようなルートでの換気を行うことで、一時間当たり5~8回の換気ができています。これは、病院における一般清潔区域(病室、診察室、調剤室)レベルの換気になります。※2
参考:※2 病院設備設計ガイドライン(空調設備編)[日本医療福祉設備協会]
2022.5.2 かなや設計
http://kajitu.k-sekkei.net/wp-admin/post.php?post=478&action=edit